大学中退の履歴書の書き方|中退理由と面接の答え方【例文付き】
大学を中退した人が履歴書でつまずくポイントは、ほぼ3つに集約されます。学歴欄にどう書くか、退学理由を書くかどうか、面接で理由を聞かれたらどう答えるかです。
先に結論を書いておきます。
- 学歴欄には「入学」と「中途退学」の2行を必ず書く(中退を隠すと経歴詐称になるおそれがある)
- 退学理由は書かなくてもよい。書くなら「〇〇のため中途退学」と1行に収める
- 面接では「事実→振り返り→今とこれから」の順に、30秒程度で答える
この記事では、学歴欄の書き方の見本、中退理由ごとの書き方、面接での回答例文、自己PRの例文までまとめました。
大学中退は履歴書の学歴欄にどう書く?
基本の書き方(見本)
大学を中退した場合、学歴欄には入学した年月と、中途退学した年月をそれぞれ1行ずつ書きます。高校を卒業した行の次に続けるのが一般的です。
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 令和2 | 3 | 〇〇県立〇〇高等学校 卒業 |
| 令和2 | 4 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 |
| 令和4 | 9 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学 |
年号は和暦・西暦のどちらでも構いませんが、履歴書の中で統一するのがルールです。学校名は「〇〇大学」と正式名称で書き、学部・学科まで省略せずに記入しましょう。
「中退」ではなく「中途退学」と書く
履歴書は公的な書類なので、略語は使わないのが基本です。「中退」ではなく「中途退学」と書きます。単に「退学」と書くのも間違いではありませんが、「中途退学」のほうが一般的で、読み手にも誤解がありません。
退学理由は書くべき?
学歴欄に退学理由を書くことは必須ではありません。書かない場合は「中途退学」だけで問題ありません。
ただし、次のように理由を書いたほうが印象がよくなるケースもあります。
- 家庭の経済的な事情で学費が払えなくなった
- 家族の介護や家業の手伝いが必要になった
- 別の学校に入り直す(転学・進路変更)ため
- 病気やけがの治療に専念するため(現在は就業に支障がない場合)
こうした理由は、本人の努力不足とは受け取られにくいからです。書く場合は、学歴欄の同じ行か次の行に1行で簡潔に収めます。
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 家庭の経済的事情により中途退学
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇〇専門学校への進学のため中途退学
逆に、学業不振や「なんとなく行かなくなった」といった理由は、学歴欄に書く必要はありません。面接で聞かれたときに、口頭で補足すれば十分です。
最終学歴は「高校卒業」になる点に注意
大学を中退した場合、学歴上の最終学歴は「高校卒業」になります。大学に在籍していた事実は書きますが、卒業していないため「大卒」には当たりません。
そのため、求人の応募条件が「大卒以上」になっている企業には、原則として応募資格がありません。求人を探すときは「学歴不問」「高卒以上」の条件で探すのが効率的です。
中退を書かないのはNG
「大学に行っていたことは書かずに、高校卒業だけ書けばいいのでは」と考える人もいますが、これはおすすめしません。
大学に在籍していた期間がまるごと空白になるため、面接で「この期間は何をしていたのですか」と聞かれることになります。また、在籍の事実を隠したことが入社後に発覚すると、経歴詐称としてトラブルになる可能性があります。在籍していた事実は、そのまま書くのがいちばん安全です。
短大・専門学校・大学院を中退した場合
書き方は大学と同じです。「〇〇短期大学 〇〇学科 中途退学」「〇〇専門学校 〇〇学科 中途退学」のように、学校名と学科名を正式名称で書きます。大学院の場合は「〇〇大学大学院 〇〇研究科 修士課程 中途退学」となり、大学を卒業していれば最終学歴は「大卒」です。
専門学校を中退した人向けの就職の進め方は、別の記事でまとめています。
短大を中退した人向けの記事はこちらです。
いま多い中退理由は「転学・進路変更」
文部科学省の「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果」によると、令和6年度に大学を中退した人は50,516人(中退率2.00%)でした。
中退理由でもっとも多いのは「転学・進路変更等」(22.3%)で、「学生生活不適応・修学意欲低下」「就職・起業等」が続きます。毎年5万人前後が大学を中退しているので、採用担当者にとって中退経験者はめずらしい存在ではありません。
採用担当者が気にしているのは「中退したこと」そのものより、「同じ理由で仕事も辞めてしまわないか」です。履歴書も面接も、この不安を消すことを意識して書くと通りやすくなります。
中退理由別|履歴書の書き方と伝え方のポイント
理由ごとに、学歴欄への書き方と面接での伝え方の方向性をまとめました。
| 中退理由 | 学歴欄に理由を書く? | 面接で伝えるポイント |
|---|---|---|
| 経済的な事情 | 書いてよい | 事情は短く。自分で稼いで生活してきた経験を強みにつなげる |
| 転学・進路変更 | 書いてよい | 何を目指して変えたのか、その選択で得たものを具体的に |
| 就職・起業 | 書いてよい | 早く働きたかった理由と、実際に働いて学んだこと |
| 病気・けが・体調 | 任意 | 現在は回復していて、仕事に支障がないことを明確に |
| 学業不振・意欲低下 | 書かない | 原因を自分の言葉で認め、今はどう変わったかを示す |
| 人間関係・大学になじめなかった | 書かない | 他人のせいにしない。職場で同じことにならない根拠を話す |
職務経歴書に大学中退は書く?
職務経歴書は、これまでの仕事の経験を伝えるための書類です。学歴は履歴書に書くので、職務経歴書で大学中退について改めて触れる必要は基本的にありません。
ただし、中退後に正社員経験がなく、アルバイトだけで数年過ごしている場合は、アルバイトでの仕事内容を職務経歴書にしっかり書くことが大切です。担当した業務、任されていた役割、工夫したことを書けば、アルバイト経験も十分なアピール材料になります。
もし中退後に働いていない期間が長い場合は、職務経歴書の最後に「〇年〇月〜〇年〇月は資格取得の勉強に専念」のように1行だけ補足しておくと、面接官の疑問を先回りして解消できます。
アルバイト経験の書き方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
面接で中退理由を聞かれたときの答え方
履歴書に「中途退学」と書けば、面接ではかなりの確率で理由を聞かれます。ここで言葉に詰まったり、長々と言い訳をしたりすると、印象が大きく下がります。事前に答えを用意しておきましょう。
答え方の型は「事実→振り返り→今とこれから」
回答は、次の3つの順番で組み立てると、短くても伝わる答えになります。
- 事実:なぜ辞めたのかを、1〜2文で簡潔に
- 振り返り:その経験から何を学んだか、何を反省しているか
- 今とこれから:中退後に何をしてきたか、この会社で何をしたいか
話す時間の配分は「事実2:振り返り3:これから5」が目安です。過去の話は短く切り上げ、これからの話に時間を使いましょう。
理由別の回答例文
経済的な事情で中退した場合
「家庭の経済的な事情で、2年生の秋に中途退学しました。学費を自分で払い続けることも考えましたが、アルバイトと両立させることが難しく、早く働いて自立する道を選びました。中退後は飲食店のアルバイトで週5日勤務し、新人スタッフの教育も任されていました。今後は正社員として腰を据えて働き、長く経験を積んでいきたいと考えています。」
転学・進路変更で中退した場合
「入学後に、自分がやりたいのは研究よりも手を動かす仕事だと気づき、専門学校に入り直すために中途退学しました。進路を早く決めきれなかったことは反省していますが、自分の適性を考え抜いた経験は、今回の職種選びにも生きています。」
早く働きたくて中退した場合
「大学の授業よりも、実際に働きながら経験を積むほうが自分には合っていると考え、中途退学しました。アルバイトで販売の仕事を続ける中で、お客様に合った提案をする面白さを知りました。この経験を、御社の営業職で生かしたいと考えています。」
体調を崩して中退した場合
「体調を崩して通学が難しくなり、治療に専念するために中途退学しました。現在は回復しており、医師からも就業に問題はないと言われています。この1年はアルバイトで週5日勤務しており、体力面でも問題なく働けています。」
体調が理由の場合は、「現在は仕事に支障がない」ことを必ずセットで伝えましょう。病名まで詳しく話す必要はありません。
学業不振・意欲の低下で中退した場合
「入学後に目標を見失い、授業に出なくなって単位が足りなくなったため、中途退学しました。目的がないまま進学したことが原因だと反省しています。中退後はアルバイトをしながら自分に向いている仕事を考え、目標を持って働けるこの業界を志望しました。今は同じ失敗をしないよう、目標を決めて行動することを意識しています。」
学業不振は言いにくい理由ですが、ごまかすより、原因を自分の言葉で認めたほうが誠実な印象になります。大事なのは「今は違う」と示すことです。
大学になじめなかった場合
「大学の環境になじめず、通学する意味を見いだせなくなって中途退学しました。今振り返ると、自分から周りに働きかけることが足りなかったと思います。アルバイト先では、わからないことを自分から質問するよう心がけ、2年間続けることができました。」
言ってはいけないNG回答
次のような答え方は、面接官の不安を大きくしてしまいます。
- 他人や環境のせいにする:「教授と合わなかった」「大学の授業がつまらなかった」
- 理由が「特にない」:「なんとなく行かなくなりました」で話が終わる
- 言い訳が長い:事情の説明だけで1分以上話してしまう
- 履歴書と話の内容が食い違う:学歴欄の理由と、面接での説明が違う
「なんとなく辞めた」が本音でも、その背景には必ず何かがあります。「目標がなかった」「授業に意味を感じられなかった」など、自分なりに言葉にしてから面接に臨みましょう。
ちなみに私自身は、中退の理由を聞かれたとき「当時は何も考えていなかった」と正直に答え、そのうえで、今は反省していること、だからこそ就職したいことを伝えました。そのときの面接の様子は、こちらに書いています。
大学中退者の自己PR例文
中退経験がある人の自己PRは、中退後に何をしてきたかを軸にすると説得力が出ます。
「私の強みは、任された仕事を最後までやり切る継続力です。大学中退後、コンビニエンスストアで3年間アルバイトを続け、2年目からは発注業務も担当しました。売れ残りを減らすために曜日ごとの売れ行きを記録し、廃棄を減らすことができました。大学を途中で辞めた経験があるからこそ、仕事は最後までやり抜くと決めています。」
ポイントは、「中退した自分」を否定するのではなく、中退した経験が今の働き方にどうつながっているかを語ることです。数字や具体的なエピソードを入れると、さらに伝わりやすくなります。
中退理由の伝え方に不安があるなら、プロと練習する
私自身も大学を中退しています。就職支援サービスのハタラクティブで最初に面談したとき、担当者から「大学中退をしているなら、その頃の話は確実に聞かれるので、そのあたりを重点的に対策しましょう」と言われました。中退の理由は、面接でほぼ避けられない質問だと考えて準備しておくのが安全です。
中退理由の答え方は、頭でわかっていても、実際に口に出すと言葉に詰まりがちです。一人で考えるより、第三者に聞いてもらって直すほうが早く上達します。
既卒・フリーター向けの就職エージェントなら、履歴書の添削や面接練習を無料で受けられます。大学中退者の支援に慣れている担当者も多いので、「この理由はどう伝えればいいか」を具体的に相談できます。
私が実際に使ったハタラクティブは、フリーターや既卒の就職支援に特化したサービスで、書類の書き方から面接対策まで無料で相談できます。20代の既卒・第二新卒向けの第二新卒エージェントneoもあわせて検討してみてください。
大学中退者がエージェントを選ぶときのポイントは、こちらにまとめています。
よくある質問
中退した年月が思い出せないときは?
在籍していた大学の学務課(教務課)に問い合わせると、退学の日付を確認できます。在籍期間証明書を発行してもらえる大学も多いので、正確な年月を確認してから書きましょう。
除籍になった場合も「中途退学」と書く?
学費の未納などで除籍になった場合は、厳密には「中途退学」とは区別されます。正直に「除籍」と書くのが基本です。面接で理由を聞かれたら、上の例文と同じように「事実→振り返り→今とこれから」の順で答えましょう。
在籍期間が短くても書く必要はある?
入学して数か月で辞めた場合でも、在籍していた事実は書きます。書かなければその期間が空白になり、かえって説明が必要になります。
大学中退からでも公務員になれる?
公務員試験の多くは学歴ではなく年齢で受験資格が決まるため、大学中退でも受験できる試験はあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
- 学歴欄には「入学」と「中途退学」の2行を書く。「中退」と略さない
- 退学理由は必須ではない。書くなら前向きに受け取られやすい理由を1行で
- 最終学歴は「高校卒業」になるので、「学歴不問」「高卒以上」の求人を中心に探す
- 職務経歴書では中退に触れず、アルバイト経験を具体的に書く
- 面接では「事実→振り返り→今とこれから」の順に、これからの話を中心に答える
中退した事実は変えられませんが、伝え方は準備次第でいくらでも変えられます。一度しっかり答えを作っておけば、どの会社の面接でも使い回せます。
大学中退からの就職活動全体の進め方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

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