大学を中退して就職を目指したときに、ほとんどは正社員として企業に就職を希望することを選びます。しかし安定したイメージから長い間高い人気を得ているのが、公務員としての就職。

お硬いイメージがある公務員ですが、大学を中退していても試験に合格することはできるのでしょうか。おすすめの職種や試験について紹介します。

先に結論を書いておきます。

  • 公務員試験の多くは学歴ではなく年齢で受験資格が決まるので、大学中退でも受験できる
  • 「大卒程度」は試験の難易度のことで、大学を卒業していなくても年齢を満たせば受けられる
  • 中退した時期が早ければ、国家公務員一般職の「高卒者試験」を受けられる場合もある
  • 受験資格は試験や自治体ごとに違うので、必ず最新の受験案内を確認する

大学中退者でも公務員を目指せるの?

公務員試験のいくつかは最終学歴が高卒の人でも受けることができるので、大学を中退した人でも問題なく目指すことができます。

ただし大学を卒業した人しか受験資格がない試験もあるので、大卒者よりも選択肢が少ないのは事実です。もしも目指したい仕事が大卒以上しか目指せないものなら、大学をまだ辞めていなければ、そのまま中退せず在籍し続けることも検討してください。

受験資格は年齢制限のみ

公務員試験には、種類ごとに年齢制限が設けられています。試験の説明として「大卒程度」と書かれていることがありますが、こう書かれていたとしても大学卒業していないと受けられないわけではないので安心してください。

ただ「大卒程度」と書かれている試験はもちろん「高卒程度」の試験より難易度が高く、挑戦するハードルは少し高めです。

「大卒程度」と書かれている試験は、大学を卒業した人や公務員試験の予備校に通った人も多く受けるので、しっかりとした対策が必要なことも理解しておきましょう。

公務員試験の種類と大学中退者の受験資格

公務員は大きく「国家公務員」と「地方公務員」に分かれ、それぞれ難易度や受験資格の違う試験があります。大学中退者に関係する主な試験をまとめると、次のとおりです。

試験 受験資格の考え方 大学中退者は?
国家公務員 総合職(大卒程度) 年齢の要件を満たせば受験できる 受験はできるが、公務員試験の中で最も難しい
国家公務員 一般職(大卒程度) 2026年度試験は1996年4月2日〜2005年4月1日生まれなど 年齢を満たせば受験できる。学歴は問われない
国家公務員 一般職(高卒者試験) 高校を卒業して2年以内の人など 早めに中退した人は受けられる場合がある
地方公務員(上級・中級・初級) 自治体ごとに年齢や学歴の条件が決まる 初級(高卒程度)は、大卒の人を受験できないようにしている自治体もある
警察官・消防官 自治体ごとに、大卒程度・高卒程度などの区分がある 区分ごとの年齢や学歴の条件を確認する

国家公務員の試験の詳しい受験資格や日程は、人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確認できます。地方公務員や警察官・消防官の試験は、受けたい自治体の募集要項を確認しましょう。

国家公務員 総合職

いわゆる「キャリア官僚」として、中央省庁で政策の企画や立案に関わる職種です。公務員試験の中で最も難易度が高く、大卒者でも合格するのは簡単ではありません。挑戦するなら、予備校などで長期間しっかり対策する覚悟が必要です。

国家公務員 一般職

各省庁や出先機関で、事務などの仕事を担当します。「大卒程度試験」は年齢の条件を満たせば大学を卒業していなくても受験できます。倍率は高めなので、筆記試験と面接の両方の対策が必要です。

また一般職には「高卒者試験」もあり、高校を卒業してから2年以内の人などが対象です。大学を1年目などの早い時期に中退した人は、この試験を受けられる可能性があります。

地方公務員

地方公務員は、都道府県や市区町村で働く公務員です。自治体ごとに試験が分かれていて、上級(大卒程度)・中級(短大卒程度)・初級(高卒程度)など難易度の区分があります。年齢の上限や受験の条件は自治体によって違います。

自治体によっては、初級(高卒程度)試験を大学卒業者が受けられないようにしています。そうした自治体では、大卒者と競わずに済む初級試験は、大学中退者にとって狙い目になります。ただし、中退者が初級を受けられるかどうかも自治体の条件しだいなので、募集要項で必ず確認してください。

なお警察官・消防官も地方公務員に含まれ、公安系の公務員と呼ばれます。体力検査などの試験もあるので、身体を鍛えておくことも忘れないようにしましょう。

公務員のメリット

公務員という職業は大学中退者だけでなく、高卒者・大卒者みんなに人気の高い職業です。なぜ長い間こんなに人気が続いているのでしょうか。

給与・雇用が安定している

最も大きな魅力としてはみなさんのイメージするとおり、安定していることです。さらに地域によっては民間企業よりも公務員のほうが平均年収は上回ることもあり、収入が安定しているうえ生活への不安も少ないです。年功序列の日本らしい働き方が根強いため、長く働いていればそれなりに給料も上がっていきます。逆に、実力主義の会社で働きたい人や「年齢なんて関係ない!」という考え方の人にはデメリットにもなりえるかもしれません。

福利厚生が充実している

有給休暇・育児休暇などのお休みを取得しやすく、福利厚生が充実していて働きやすいのも公務員のいいところです。有給休暇は取得が義務付けられているとはいえ、一般企業での定着率はまだまだ低いのが実情。特に大学中退者が就職しやすい中小企業やベンチャー企業では有休が取りづらい会社がまだまだ多いです。そんな状況の中、福利厚生の恩恵をしっかり受けられるのは大きなメリットです。

定期的に部署を異動するためさまざまな業務を経験できる

あまり知られていないことですが、公務員は異動が多い職業です。大抵3年程度で別部署に異動することになるため、さまざまな仕事を経験することができます。仕事に飽きづらいのはもちろん、人間関係も異動するたびに変わるのは魅力です。異動がない仕事だと、気が合わない上司と下手すると何十年も働かなければなりません。しかし一定期間ごとに異動があると、そうした厄介な関わりを減らすことができ、ドライな人間関係を築くことができます。

社会的信用を得られる

公務員になるとクレジットカードやローンの審査にも通りやすくなります。これは安定した収入とイメージされる真面目さからです。フリーターとは段違いの社会的な信用を得られるのも嬉しいところです。心配性な親には名の知れていない企業への就職を嫌がる人もいますが、公務員なら文句なしでしょう。

終身雇用が期待できる

公務員は国や市区町村に雇用されている立場のため、基本的には解雇や雇い止めがありません。大企業でも潰れるようになった現在でも市区町村や国が潰れることはほぼありえないので、雇用主の都合でいきなり職がなくなるということは公務員には考えづらいのです。一つの会社に勤め続けたいと考える人にとっては最適な環境でしょう。

大学中退者におすすめの職業

ただ前述したように公務員試験は種類によって難易度が大きく分かれます。大学中退者の合格率が高いおすすめの職業は以下のとおりです。

警察官

町の治安を守る警察官は、採用人数が多く、高卒程度の区分で受験する人も多いので、中退者にもおすすめです。試験は筆記の1次試験と、面接・体力検査などの2次試験に分かれているのが一般的です。

面接を重視する傾向があるので、筆記だけでなく面接の対策もしっかり行いましょう。

試験に合格した後は、警察学校での研修を経て、警察官として働き始めます。警察学校に在籍している間も給料がもらえるので、フリーターにはありがたいですね。

消防士

消防士も警察官と同じくらいの試験難易度で、構成もほぼ同じです。警察官と同じく、試験に合格した後は消防学校での研修があります。

ただし警察官と異なるのは、体型などに基準が設けられていることです。身長体重、視力、肺活量などで自治体ごとに規定が定められているため自分が条件を満たすかは早めに確認してください。

公務員になるための勉強方法は?

公務員試験の勉強は独学で進める人もいれば、予備校に通う人もいるなどやり方がさまざま。勉強が苦手で大学を中退した人にとって独学は少し厳しいかもしれないので、予備校に通うのもおすすめです。同じ目標を持つ仲間とも出会えます。

アルバイトを減らすことで収入が減るリスクも

一人暮らしのフリーターの方が働きながら公務員になるための勉強をするのは大変です。試験の前は勉強時間を増やさなければなりませんし、人によってはアルバイトの時間を削って勉強に回さなくてはならなくなります。その際に収入が減ってしまうので、ある程度貯金をしておくと安心です。

大学中退をする前に公務員にするかどうか考える

大学中退をしてから公務員へ向けて勉強することももちろんできますが、すぐに辞めるべき理由がない時は、大学中退する前から勉強を初めて並行して試験を受けた方が良いです。

地方公務員や国家公務員一般職であれば、年齢の条件を満たしていれば大学中退者でも合格の可能性は十分にありますが、試験に絶対はないもの。経済的理由等の問題でどうしても辞めざるを得ないとき以外は、大学に通いながら公務員試験を受けると良いでしょう。

公務員以外の選択肢も考えるのがおすすめ

一部の職種は大学中退者でもそこまで厳しい道のりにはなりませんが、基本的に公務員になるのは皆さんの想像以上に難しいです。根気よく勉強し、面接の対策なども行わなければなりません。人手不足が続く昨今では一般企業への就職のほうが難易度は低いので、悩んでいる人は一度他の選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

今の時代は公務員が最高だと言われていた時代とは違い、一般企業に所属して転職を繰り返してキャリアアップしていく人が増えています。そのため公務員で仕事に安定を求めるよりも企業に所属をしてスキルアップをしていくという道を見つけてもいいと思います。

大学中退の人が公務員ではなく、一般企業に就職するための方法は下記の別記事でまとめてありますので、是非合わせて読んでみてください。

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大学中退者がエージェントを選ぶときのポイントは、こちらにまとめています。

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大学を中退し、高卒の学歴のまま20代半ばまでフリーターとニートを経験(飲食店・コンビニ・運送業のアルバイト)。就職支援サービスのハタラクティブ経由で、広告会社の営業職として正社員になりました。ハタラクティブやジェイックを実際に使った体験をもとに、フリーター・既卒・中退者の就職について書いています。
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