年金が払えないフリーターへ|免除・納付猶予の条件と申請方法、未納のリスク
老後の生活を支えてくれる国民年金。20歳以上60歳未満の人は加入して保険料を払うことが法律で決められています。しかし収入が少ないフリーターにとっては、保険料を払うのも一苦労。いつの間にか払わないままになっている人も少なくないのでは?
そんな年金が払えないフリーターに知ってほしい免除・納付猶予の制度と、払わないまま放っておいた場合にどうなるのかを解説します。先に結論を書いておきます。
- 国民年金の保険料は、2026年度(令和8年度)は月17,920円。1年で約21.5万円になる
- 収入が少ないなら、免除や納付猶予を申請すれば、払えなくても「未納」にならない
- 申請せずに放っておくと、最終的には財産を差し押さえられることもある。障害年金も受け取れなくなるおそれがある
国民年金の保険料はいくら?
日本年金機構によると、2026年度(2026年4月〜2027年3月)の国民年金の保険料は月17,920円です。1年分にすると約21.5万円。フリーターにとっては、1か月分の給料を超えるくらいの金額という人も多いのではないでしょうか。
なお、勤め先の厚生年金に加入している場合は、国民年金の保険料を自分で払う必要はありません(厚生年金の保険料に含まれています)。
払えないときに使える「免除」と「納付猶予」
収入が少なくて保険料を払えないときは、申請すると保険料の支払いが免除されたり、先延ばし(納付猶予)にしてもらえたりします。フリーターも、もちろん申請できます。
保険料免除制度
前の年の所得に応じて、保険料の全額・4分の3・半額・4分の1が免除されます。審査されるのは、本人・配偶者・世帯主の所得です。日本年金機構が示している所得の基準は次のとおりです。
| 免除の種類 | 前年の所得の基準 |
|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
たとえば一人暮らしで扶養する家族がいない人なら、前の年の所得が67万円以下であれば全額免除の対象になります。ここでいう「所得」は、アルバイトの収入から給与所得控除を差し引いた金額なので、収入そのものより少なくなります。
保険料納付猶予制度
50歳未満の人は、本人と配偶者の前の年の所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下であれば、保険料の納付を先延ばしにできます。こちらは世帯主(親など)の所得は審査されないので、実家暮らしで親に収入があって免除が通らない人でも、納付猶予なら認められることがあります。
仕事を辞めた人は「失業による特例」も
会社やアルバイトを辞めて収入がなくなった場合は、本人の所得を除いて審査してもらえる特例があります。離職票など、辞めたことがわかる書類を添えて申請します。
免除・納付猶予を申請するメリット
未納にならない
申請して認められた期間は「未納」ではなく、年金を受け取るための資格期間に数えられます。
障害年金・遺族年金が受け取れる
免除や納付猶予の期間中にけがや病気で障害が残ったときも、障害基礎年金を受け取ることができます。未納のまま放っておくと、いざというときに障害年金を受け取れないおそれがあります。これが申請しておくいちばん大きな理由です。
全額免除でも年金の半分はもらえる
免除された期間も、将来受け取る年金にある程度反映されます。
- 全額免除:保険料を全額払った場合の2分の1
- 4分の3免除:8分の5
- 半額免除:8分の6
- 4分の1免除:8分の7
- 納付猶予:反映されない(あとで払えば反映される)
全額免除なら、保険料を1円も払っていなくても、その期間の年金の半分は受け取れます。これは国が半分を負担しているからです。
免除・納付猶予のデメリット
受け取る年金が少なくなる
上のとおり、保険料を全額払った人に比べると、将来受け取る年金は少なくなります。
あとから払う「追納」もできる
免除や納付猶予を受けた期間の保険料は、10年以内であれば、あとから払う(追納する)ことができます。追納すれば、年金を満額に近づけられます。ただし、免除などを受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、少し金額が上乗せされます。
正社員になって収入が安定したら、追納を考えてみるのも良いでしょう。
免除・納付猶予の申請方法
申請方法は次のとおりです。
- マイナポータルから電子申請(マイナンバーカードがあればスマートフォンからでも申請できる)
- 住んでいる市区町村役場の国民年金の窓口に申請書を出す
- 年金事務所の窓口に出す、または郵送する
申請書は日本年金機構のホームページからダウンロードするか、役場や年金事務所で受け取れます。基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書や年金手帳)を用意しておきましょう。仕事を辞めたことを理由に申請する場合は、離職票などの写しも必要です。
過去2年1か月前までさかのぼって申請できる
申請は、今からだけでなく、過去2年1か月前までさかのぼってできます。すでに未納がある人も、今から申請すれば間に合う期間があるかもしれません。
また、免除などは原則として7月から翌年6月までの1年ごとの審査なので、続けて受けたい場合は毎年申請が必要です(全額免除と納付猶予は、申請時に希望すれば翌年以降の審査を自動で受けられる場合もあります)。
年金を払わずに放っておくとどうなる?
ここで気になるのが、申請もせずに年金を払わないままでいた場合にどうなるのかということですよね。
国民年金の保険料は、払わないまま放っておくと、最終的に財産を差し押さえられることがあります。おおまかな流れは次のとおりです。
- 電話や手紙での納付の案内
- 最終催告状
- 督促状
- 差押予告
- 財産の差し押さえ
まずは手紙や電話で案内が来る
最初は、手紙や電話で納付をお願いする案内が来ます。学生時代、大学に入学後すぐに申請をしていなかったため、私も郵送による通知を受け取ったことがあります。
この段階で免除などを申請すれば、特に問題はありません。
督促状が来ると延滞金もかかる
さらに放っておくと、最終催告状、督促状が届きます。督促状の期限を過ぎると、遅れた日数に応じて延滞金がかかります。
また、国民年金の保険料は、世帯主や配偶者も一緒に払う義務(連帯納付義務)があります。本人が払わないままだと、親などの世帯主の財産が差し押さえの対象になることもあります。
払えない状態から抜け出すには
勤め先の厚生年金に加入する
アルバイトでも、週20時間以上働くなどの条件を満たすと、勤め先の厚生年金に加入します。保険料は会社と半分ずつの負担で、国民年金の保険料を別に払う必要もなくなります。2026年10月からは「月8.8万円以上」の条件が撤廃される予定で、加入する人が増えていきます。
正社員になる
正社員になれば、厚生年金に加入し、保険料は給料から天引きされます。払い忘れや未納の心配がなくなり、将来受け取る年金も国民年金だけの場合より多くなります。
年金を払えない状態が続いているなら、それをきっかけに就職を考えてみるのも一つの手です。フリーターから就職するなら、フリーターや既卒の就職支援に慣れたサービスを使うと効率的です。私が実際に使ったのは、一番オススメのハタラクティブや、全国対応の第二新卒エージェントneoあたりです。また、20代の既卒・フリーターなら、キャリアスタートも無料で相談できます。
何より、払えないからといって放っておかず、早めに免除などの申請をしておきましょう。
まとめ
- 国民年金の保険料は2026年度で月17,920円
- 収入が少ないなら、免除や納付猶予を申請すれば「未納」にならず、障害年金なども受け取れる
- 納付猶予は50歳未満が対象で、親の所得は審査されない
- 申請は過去2年1か月前までさかのぼれる。マイナポータルからも申請できる
- 放っておくと延滞金がかかり、最終的には差し押さえもある
税金の払い方については、こちらでまとめています。

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