やりたい仕事がないフリーターへ|見つけ方と3つの書き出しワーク
「やりたい仕事と言われても、正直よくわからない」「とりあえず正社員になれれば、どこでもいい」。フリーターから就職を考えはじめたとき、こんなふうに感じる人は少なくないと思います。
でも、やりたい仕事が少しでも見えていると、求人の選び方も、面接での話し方も変わってきます。この記事では、やりたい仕事を見つけることがなぜ大切なのか、どうやって見つければいいのかを、統計の数字や書き出しワークを使いながら順番に説明します。先に結論を書いておきます。
- 人手を求める会社は多いものの、2025年の有効求人倍率は前年より少し下がった。動くなら早めがおすすめ
- 会社の名前や規模だけで選ぶと、入社後に「思っていた仕事と違う」となりやすい。仕事の中身と、身につく力を見て選ぶ
- やりたい仕事は、紙やメモに書き出すと見つけやすい。この記事の3つのワークから始めてみてください
就職や転職で迷うのは、あなただけではありません
「フリーターの期間が長い」「前の会社を短い期間で辞めてしまった」など、職歴に自信がないと、応募できる求人は少ないのではと不安になりますよね。実際、経験者を求める求人には手を挙げにくく、最初は選べる道がせまく感じられるかもしれません。
そのため、活動を進めながら希望を少しずつ変えていく人はめずらしくありません。はじめは候補に入れていなかった業界や職種に、途中から応募するようになるのもよくある流れです。
希望を変えること自体は、悪いことではありません。ただ、「どこなら変えてよくて、どこは変えたくないのか」が自分の中で決まっていないと、応募先を広げるたびに「本当にこれでいいのかな」と迷いが増えてしまいます。
夢や理想を持っておくのは大切なことです。それと同時に、「この半年で応募する仕事」のような、手の届く目標も決めておくと動きやすくなります。
迷いを減らすために大事なのは、「自分がやりたいこと」と「ゆずってもいいこと」を、動きはじめる前に一度整理しておくことです。
就職先に何を求める?ゆずれない条件を見直そう
条件を考える前に、今の就職環境を数字でおさえておきましょう。
総務省が毎月おこなっている労働力調査で2025年の平均を見ると、失業率は2.5%で、仕事がなく探している人は176万人でした。一方、働いている人は6,828万人で、5年続けて増えています。人手を必要としている会社は、今も多いといえます。
ハローワークの求人と求職者の数から出す「有効求人倍率」は、厚生労働省の発表で2025年(令和7年)平均が1.22倍でした。仕事を探す人1人に対して、求人が1件より少し多くある計算です。
ただ、この数字は前の年の1.25倍から少し下がっていて、有効求人の数も前の年と比べて3.5%減りました。今の求人の多さがずっと続くとは言い切れません。フリーターの人も、できれば20代のうちに正社員として働きはじめ、仕事の中で力をつけていくのがおすすめです。
求人が多いうちは、「応募できるところならどこでも」と考えがちです。でも、条件を決めずに応募を重ねると、内定が出ても決めきれなかったり、入ってから後悔したりしやすくなります。仕事内容、働く場所、休み、給料、雇用形態のうち、自分にとってゆずれないのはどれかを、先に書き出しておきましょう。書き出し方は、この記事の後半のワーク3で紹介しています。
学校を卒業して間もない既卒の人は、「新卒枠」が使えるかどうかも確認しておきたいところです。国の青少年雇用機会確保指針では、卒業後3年以内の人も新卒枠に応募できるようにすることを、会社に求めています。ただし、これは努力義務なので、受け付けていない会社もあります。気になる会社の募集要項は、応募の前に確かめておきましょう。
昔ながらの基準だけで会社を選ばないようにしよう
「有名な会社なら安心」「正社員になれるならどこでも同じ」。こうした基準だけで就職先を決めると、入社してから毎日の仕事が自分に合わないと気づくことがあります。
会社を比べるときは、名前や大きさに加えて、次の2つを確かめておくのがおすすめです。
- 毎日、具体的にどんな作業をするのか
- その仕事を3年続けたら、どんな知識や技術が身につくのか
求人票の「仕事内容」の欄はていねいに読みましょう。知らない職種なら、厚生労働省の職業情報提供サイト「ジョブタグ」で、1日の流れや必要な力を調べることもできます。
フリーターや第二新卒の面接では、今できることよりも、「なぜこの仕事を選んだのか」「入ってから何を身につけたいのか」をよく聞かれます。ここがあいまいなまま入社すると、数年後に「本当はやりたかった仕事」へ進もうとしたとき、経験がつながらないことがあります。
もうひとつ見直したいのが、「就職するなら最初から正社員でなければ」という考え方です。やりたい仕事の正社員求人がなかなか見つからないときは、正社員につながる入口を使って、その仕事に近づく方法もあります。
| 制度 | しくみ |
|---|---|
| 紹介予定派遣 | 派遣社員として働いたあと、本人と派遣先が合意すれば直接雇用に切り替わる。派遣として働ける期間は同じ人について6か月まで |
| トライアル雇用 | 職業経験が少ない人などを、ハローワーク等の紹介で原則3か月試しに雇い、期間の定めのない雇用への移行をめざす制度 |
| 正社員登用制度 | アルバイトや契約社員として入社し、会社の試験や評価を経て正社員になる制度。実績は会社によって大きく違う |
「どんな仕事をしたいか」を先に決めて、雇用形態はそのための手段として考える。こうした順番で考えると、応募できる先が広がることがあります。
ただし、正社員とそれ以外では、給料に差があることも知っておきましょう。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、残業代などを含まない毎月の給与(所定内給与)の平均は、正社員・正職員が358.8千円、正社員・正職員以外が241.7千円でした。正社員以外の形で入る場合は、「いつ、どんな条件を満たせば正社員になれるのか」を、入社前に必ず確認してください。
会社の大きさより、身につく力を大事にしよう
先のことが不安なときほど、「とにかく安定していそうなところ」を選びたくなるものです。
ところが、正社員であること、会社が大きいこと、名前が知られていることばかりを条件にすると、どんな仕事をするのかが後回しになりがちです。その結果、働きはじめてから「仕事が合わない」「毎日がつまらない」と感じ、早めに辞めることにつながる場合もあります。
そこで一度、自分にこう問いかけてみてください。
「学歴も経験も関係なく、どんな仕事でも選べるとしたら、何をやってみたい?」
現実ばなれした質問に思えるかもしれません。でも、条件を全部はずして考えると、ふだんは気づかない自分の本音が出てきやすくなります。答えがそのまま職業にならなくても、「人を楽しませたい」「何かを作りたい」といった方向が見えれば十分です。
会社の大きさや知名度は、ずっと働き続けられることを保証してくれるものではありません。一方で、仕事を通して覚えた知識や技術は、たとえ会社が変わっても自分の力として残ります。
興味のある分野に近い仕事を選び、そこで必要な技術を一つずつ身につけていく。すぐに結果は出なくても、そのほうが長く働ける道につながりやすいと思います。
やりたいことが軸にあると、面接でも伝わりやすい
できれば避けたいのは、「とりあえず」で入社して合わずに辞め、また「とりあえず」で次の会社に入る、という流れを何度も続けてしまうことです。
在籍期間の短い職歴がいくつも並んでいると、面接官は「うちに入っても、すぐ辞めてしまうかもしれない」と心配しやすくなります。応募のたびに辞めた理由を説明しなければならず、自分でも話しにくくなってしまいます。
逆に、フリーターやアルバイトの期間があっても、それが今の志望につながっていれば、話の筋が通ります。たとえば次のような形です。
- 飲食店のアルバイトで新人に仕事を教えるうちに、人に何かを伝える仕事に興味を持った
- だから、お客さまに商品を説明する販売職や営業職を希望している
- アルバイトで身につけた、相手に合わせて説明を変える力を活かしたい
やりたい仕事を決めてから応募すると、志望動機に一本の筋ができ、面接でも自分の言葉で話しやすくなります。
やりたい仕事探しは、就職活動の準備の中でも後回しにされがちです。でも、ここに時間をかけておくと、応募先選びから面接までが楽になります。
面接では、希望を遠慮せずに伝えてもいい
面接では、「落とされたくない」という気持ちから、何を聞かれても「お任せします」「どこでも大丈夫です」と答えてしまう人がいます。
たとえば「もし配属先が希望と違う部署だったら、どうしますか?」と聞かれて、「会社の決めたとおりにします」とだけ答えたとします。まじめな答えではありますが、あなたがどんな仕事をしたいのかは、面接官に伝わりません。
働きはじめたら、毎日の大半の時間をその仕事に使います。だからこそ、「どんな仕事がしたいのか」だけは、自分の言葉で伝えられるようにしておきましょう。
答え方の例
「会社の方針で配属が決まることは理解しています。そのうえで、まずは応募した販売の仕事で経験を積み、お客さまの話を聞いて提案する力をつけたいと考えています。ほかの部署に配属された場合も、その力が役立つ場面を探しながら取り組みます。」
このように、会社の事情を受け止めつつ、自分の希望もはっきり言うのがポイントです。
わがままに聞こえるかもと遠慮しすぎず、やりたい仕事や働き方、待遇について、本音で話せるように準備しておきましょう。希望をきちんと伝えておくほうが、入社してからの「こんなはずじゃなかった」を防ぎやすくなります。
やりたい仕事を見つける3つの書き出しワーク
やりたい仕事は、頭の中で考えているだけではなかなか見つかりません。紙やスマホのメモに書き出して、目で見て整理するのがおすすめです。
ワーク1:これまでの「苦にならなかったこと」を書き出す
アルバイト、学校、趣味など、これまでの経験の中から「時間を忘れてやっていたこと」「人よりも苦にならなかったこと」を10個書き出します。
書き出しの例
- コンビニのアルバイトで、売り場の並べ方を工夫するのが楽しかった
- 新しく入った人に仕事を教えるのが苦にならなかった
- ゲームの攻略情報を調べて、表にまとめるのが好きだった
書き出したら、共通点を探します。上の例なら「工夫して改善すること」「人に教えること」「情報を整理すること」といった共通点が見えてきます。
ワーク2:「制約がなかったら何をするか」を書き出す
学歴や経験、お金のことは一度わきに置いて、「どんな仕事にでも就けるとしたら何をしたいか」を思いつくまま書きます。現実的でなくてもかまいません。
次に、書いた仕事ごとに「その仕事のどこに惹かれたのか」を一言添えます。たとえば「ゲームを作る仕事」なら「遊ぶ人を楽しませたい」「仕組みを考えたい」など。惹かれた理由のほうが、実際の職種選びでは役に立ちます。「仕組みを考えたい」なら、IT系の職種だけでなく、事務の業務改善や物流の管理などにも同じ要素があります。
ワーク3:条件を「譲れない」「できれば」「気にしない」に分ける
仕事内容、勤務地、休日、給料、働き方などの条件を書き出し、3つに分けます。
| 分類 | 書き方の例 |
|---|---|
| 譲れない | 人と接する仕事であること、実家から通えること |
| できれば | 土日休み、資格取得の支援があること |
| 気にしない | 会社の知名度、オフィスのきれいさ |
「譲れない」が多すぎると応募先が見つからなくなるので、3つくらいまでにしぼるのがコツです。ワーク1と2で見えてきた「やりたいこと」を「譲れない」の欄に入れれば、それがそのまま求人を選ぶ基準になります。
一人で書き出してもまとまらないときは、就職支援サービスの担当者に書き出したメモを見せて、一緒に整理してもらうのも一つの方法です。たとえば第二新卒エージェントneoは、20代の既卒やフリーターの就職支援を中心にしています。
まとめ
- 人手を求める会社は多いが、2025年の有効求人倍率は前年より少し下がった。できれば20代のうちに動くのがおすすめ
- 既卒の人は、卒業後3年以内なら新卒枠に応募できる会社もある(努力義務なので会社しだい)
- 会社の名前や規模だけで選ばず、毎日の仕事の中身と、身につく力を確かめる
- やりたい仕事の正社員求人が見つからないときは、紹介予定派遣やトライアル雇用など、正社員につながる入口も検討する
- 面接では「お任せします」で終わらせず、やりたい仕事を自分の言葉で伝える
- やりたい仕事は、苦にならなかったことの書き出し、制約をはずした想像、条件の仕分けの3つのワークで探す
やりたい仕事は、じっと考えるより、書き出したり人に話したりするうちに形になっていくことが多いものです。
書いたメモを見ながら一緒に考えてくれる相手がいると、整理が進みやすくなります。私が実際に使ったのは、フリーターの就職支援に慣れたハタラクティブ、20代向けの第二新卒エージェントneoです。また、20代の既卒・フリーターなら、キャリアスタートも無料で相談できます。やりたい仕事がまだはっきりしていなくても、「決まっていない」とそのまま担当者に伝えてみてください。

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