大学中退後の年金・健康保険の手続き|やることリストと注意点
大学を中退すると、その日から「学生」ではなくなります。すると、年金や健康保険など、学生だから受けられていた扱いが終わることがあります。
退学の手続きに気を取られて、こうした手続きを忘れてしまう人は少なくありません。後から困らないように、中退したらやることを整理しておきましょう。
大学中退後にやることリスト
- 奨学金:学校の奨学金窓口に連絡する(貸与型は返還が始まる)
- 国民年金(20歳以上):学生納付特例を受けていたら「不該当届」を出し、保険料を払うか免除・猶予を申請する
- 健康保険:親の扶養に残れるかを確認する。外れる場合は国民健康保険か、勤務先の健康保険に入る
それぞれ詳しく見ていきます。制度は変わることがあるので、手続きの前には市区町村の窓口や各機関の公式サイトで最新の情報を確認してください。
奨学金|貸与型は返還が始まる
日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金を借りていた場合、退学すると貸与が終わり、貸与が終わった翌月から数えて7か月目から返還が始まります。
退学届とは別に、学校の奨学金窓口にも必ず連絡しましょう。返還の時期や、払えないときに使える制度は、こちらの記事で詳しく解説しています。
国民年金|学生納付特例は使えなくなる
20歳以上なら国民年金の保険料がかかる
日本に住む20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入することになっています。在学中は「学生納付特例」を使って保険料の支払いを先送りしていた人も多いと思いますが、この制度は学生だけが使える制度です。
学生納付特例の承認を受けている途中で退学した場合は、住んでいる市区町村の国民年金の窓口に「学生納付特例不該当届」を出す必要があります。
学生でなくなった後は、国民年金の保険料を自分で払うことになります。令和8年度の保険料は月額17,920円です。
払えないときは「免除」や「納付猶予」を申請する
中退したばかりで収入が少なく、保険料を払うのが難しい場合は、保険料の免除や納付猶予を申請できます。本人(と世帯主・配偶者)の所得が一定以下であることが条件で、申請は市区町村の窓口で行います。
いちばん避けたいのは、申請もせずに未払いのまま放置することです。未納のままだと、将来の年金額が減るだけでなく、万一けがや病気で障害が残ったときに障害年金を受け取れない可能性があります。免除や猶予が承認された期間は「未納」にはなりません。
また、学生納付特例や免除・猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら後から納める(追納する)ことができます。就職して収入が安定してから、余裕があれば納めておくと、将来の年金額を増やせます。
年金の免除制度や、払わなかった場合のリスクは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
健康保険|親の扶養に残れるか確認する
収入が基準を超えると扶養から外れる
在学中は、親が加入している健康保険の「被扶養者」になっていた人が多いはずです。中退しても、収入などの条件を満たしていれば、引き続き親の扶養に入っていられます。
健康保険の被扶養者として認められる年間収入の基準は、次のとおりです。
| 年齢(その年の12月31日時点) | 年間収入の基準 |
|---|---|
| 19歳以上23歳未満 | 150万円未満(令和7年10月から) |
| 上記以外(60歳未満) | 130万円未満 |
中退してアルバイトを増やすと、この基準を超えて扶養から外れることがあります。ほかにも親の収入との関係などの条件があるので、詳しくは親が加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に確認しましょう。
なお、健康保険の扶養とは別に、親の税金の「扶養控除」にも影響することがあります。アルバイトの収入が大きく増えそうなときは、親に一言相談しておくと安心です。
扶養から外れたら国民健康保険か勤務先の保険に入る
親の扶養から外れた場合は、自分で健康保険に入る必要があります。
- 国民健康保険:住んでいる市区町村の窓口で加入の手続きをする
- 勤務先の健康保険:アルバイトでも、勤務時間などの条件を満たせば勤務先の健康保険・厚生年金に加入する
どの健康保険にも入っていない期間があると、その間の医療費は全額自己負担になってしまいます。扶養から外れたら、早めに手続きしましょう。
正社員になれば手続きも負担もシンプルになる
ここまで読んで、「手続きが多くて面倒」と感じた人も多いと思います。
実は、正社員として就職すると、この負担はかなり軽くなります。正社員は、会社で厚生年金と健康保険に加入するのが基本で、保険料は給料から天引きされます。しかも保険料は会社と本人で半分ずつ負担する仕組みなので、国民年金と国民健康保険を自分で全額払うよりも、手厚い保障を受けられます。
中退後の生活を安定させるには、できるだけ早く正社員として就職することがいちばんの近道です。大学中退者でも、学歴不問・未経験OKの求人を紹介してくれる就職エージェントを使えば、就職活動を効率よく進められます。
フリーターや既卒の就職支援に特化したハタラクティブは、公式サイトで大学中退者も対象として明記しています。エージェントの選び方は、こちらの記事にまとめています。
よくある質問
20歳未満で中退した場合は?
国民年金の加入は20歳からなので、20歳未満のうちは国民年金の手続きは必要ありません。20歳になると日本年金機構から加入のお知らせが届きます。健康保険については、上の表の基準で親の扶養に入れるかを確認しましょう。
学生納付特例で払っていなかった分はどうなる?
学生納付特例の承認を受けていた期間は「未納」ではなく、先送りされた扱いです。10年以内であれば、後から追納できます。
退学の手続きが終わる前はどうなる?
学生の身分がなくなるのは、大学が退学を認めた日です。退学日が決まったら、その日を基準に各種の手続きを進めましょう。退学日は大学の学務課(教務課)で確認できます。
まとめ
- 中退すると学生ではなくなり、学生向けの扱いが終わる
- 奨学金は学校の窓口に連絡。貸与型は貸与終了の翌月から数えて7か月目から返還が始まる
- 国民年金は「学生納付特例不該当届」を出し、払えなければ免除・納付猶予を申請する
- 健康保険は親の扶養の収入基準を確認。外れたら国民健康保険か勤務先の保険に入る
- 正社員になれば社会保険は会社で加入でき、保険料も会社と半分ずつの負担になる
大学中退からの就職活動の進め方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

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