既卒の就活の進め方|何から始める?新卒枠と中途枠の選び方と相談先
「卒業してしまったけど、今から就活できるの?」「何から始めればいいのかわからない」「新卒の人と同じように動いていいの?」。この記事は、そんな既卒の人に向けて書いています。
私は大学を中退したフリーターだったので、厳密には既卒ではありません。ただ、既卒やフリーター向けの就職支援サービスを3社使い、最初の面談から2か月ほどで正社員になりました。その経験と、厚生労働省などの公式情報をもとに、既卒の就活の進め方をまとめました。先に結論を書いておきます。
- 既卒でも就活はできる。新卒採用枠で募集した事業所の73%は、既卒者も応募できた
- 応募先は、新卒枠と中途枠の2つ。どちらかに絞らず、両方を見る
- 入社が早いのは中途枠。卒業後3年以内なら、新卒枠も選択肢に入る
- 相談先がないのがいちばんの弱点。新卒応援ハローワークや就職エージェントを早めに使う
- 面接で聞かれる「なぜ新卒で就職しなかったのか」は、先に答えを用意しておく
既卒という言葉の意味や、フリーター・第二新卒との違いは、こちらにまとめています。
既卒の就活は不利?数字で確認する
同じ立場の人は少なくない
文部科学省の学校基本統計によると、2025年3月に大学を卒業した約58万4千人のうち、約4万2千人(7.2%)は、進学でも就職でもない進路でした。進学や就職の準備をしている人、家事の手伝いをしている人などが含まれます。
大学を卒業した人の、およそ14人に1人です(当サイトで計算)。卒業後に就職が決まっていない人は、決して珍しくありません。
新卒枠に応募できる会社は多い
厚生労働省の労働経済動向調査(2026年8月)によると、2025年度の新卒採用枠で正社員を募集した事業所のうち、73%が「既卒者も応募できた」と答えています。
| 業種 | 既卒者が応募できた | そのうち既卒者を採用した |
|---|---|---|
| 全体 | 73% | 44% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 89% | 37% |
| 医療・福祉 | 85% | 56% |
| 情報通信業 | 78% | 41% |
| 卸売業・小売業 | 75% | 54% |
| 製造業 | 60% | 34% |
※ここでいう既卒者は、卒業後すぐにその会社に入った人以外の35歳未満の人です。勤務経験の有無は問いません。
「44%」は、応募できた事業所のうち、実際に既卒者を採用した事業所の割合です。一人ひとりの合格率ではないので注意してください。
一方で、24%の事業所は「応募できなかった」と答えています。応募できる会社は多いものの、どこでも応募できるわけではありません。今後の方針を聞いた調査でも、「応募可能としたい」は30%、「年齢によって応募可能としたい」は14%で、31%は「現在のところ未定」でした。
不利になるのは、主にこの3つ
既卒の就活で不利になりやすいのは、次の3つです。
- 「なぜ新卒で就職しなかったのか」を聞かれる:先に答えを用意しておく
- 情報が入ってこない:学校にいたころのような、周りの動きや案内がなくなる
- 相談先がない:一人で進めると、動き出しが遅くなりやすい
どれも、準備や相談先を決めることで減らせます。この記事の残りでは、そのやり方を順番に書いていきます。
最初に決めること:新卒枠か、中途枠か
既卒の人が応募できるのは、大きく分けて「新卒枠」と「中途枠(既卒・未経験歓迎の求人を含む)」の2つです。
| 新卒枠 | 中途枠 | |
|---|---|---|
| 応募できる人 | 卒業後3年以内が目安。会社によって違う | 「未経験歓迎」「学歴不問」などの求人なら応募できる |
| 時期 | 新卒の日程に合わせて動くことが多い | 年間を通して募集がある |
| 入社のタイミング | 4月入社が多く、内定から時間が空くことがある | 内定から入社までが早いことが多い |
| 比べられる相手 | 新卒の学生 | 社会人経験のある人も含む |
※一般的な傾向です。実際の条件は、会社ごとの募集要項で確認してください。
厚生労働省の指針は、企業に対して、卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるようにするよう努めることを求めています。ただし努力を求めるものなので、すべての会社が受け付けているわけではありません。募集要項に「既卒可」「卒業後3年以内の方も応募可」といった記載があるかを確認しましょう。
どちらを選ぶかの目安
- 早く働きたい、生活費が気になる:中途枠を中心に探す
- 卒業後3年以内で、新卒向けの研修がある会社に入りたい:新卒枠も探す
- 卒業後3年を過ぎている:中途枠を中心に探す。会社によっては新卒枠に応募できることもある
迷ったら、両方を同時に見て大丈夫です。どちらかに決めてしまうより、選択肢が広がります。
新卒枠の日程
政府が2027年度に卒業する学生向けに企業へ出している要請では、広報活動は卒業年度に入る直前の3月1日以降、採用選考は6月1日以降、正式な内定は10月1日以降とされています。
ただ、この日程は原則で、見直しの検討も進められています。また、同じ要請では、既卒者にも通年採用を含めた選考の機会を提供するよう求めています。日程だけで判断せず、気になる会社の募集状況をその都度確認しましょう。
既卒の就活の進め方:5つのステップ
1. 卒業時に就職しなかった理由と、今の状況を整理する
最初にやるのは、ここです。面接で必ず聞かれますし、自分がどんな仕事を探すのかを考える土台にもなります。立派な理由でなくてかまいません。事実を短くまとめておきましょう。
2. 応募する枠と、仕事の条件を考える
新卒枠と中途枠のどちらを見るかを決めて、譲れない条件を考えます。全部の条件を満たす求人はないと思います。何が譲れないのか、何なら譲ってもいいのかを考えておくと、選ぶ軸がはっきりします。
3. 相談先を決める
既卒の就活でいちばん避けたいのは、一人で抱えて動けなくなることです。次の章を参考に、まず1か所に相談してみましょう。
私も、最初の2週間ほどは様子見をしてしまいました。今振り返ると、もっと早く行動量を増やせばよかったと思っています。
4. 履歴書と職務経歴書を用意する
正社員の経験がなくても、アルバイトの経験があれば書けます。相談先で添削してもらえるので、最初から完璧でなくて大丈夫です。
5. 応募して、面接を受ける
1社に絞らず、並行して応募しましょう。私は7〜8社に応募し、最初の面談から正社員として就職するまでは2か月ほどでした。期間の流れは、こちらに書いています。
既卒の相談先の選び方
| 相談先 | 向いている人 | 確認すること |
|---|---|---|
| 新卒応援ハローワーク | 卒業後おおむね3年以内で、新卒の求人も見たい人 | 各都道府県にある。場所は厚生労働省のサイトで確認 |
| わかものハローワーク | おおむね35歳未満で、正社員を目指す人 | アルバイトをしている人も相談できる |
| 大学などのキャリアセンター | 卒業した学校に相談しやすい人 | 卒業生が使えるかは学校によって違うので、問い合わせる |
| 就職エージェント | 求人の紹介から面接の対策まで手伝ってほしい人 | 対象の年齢や地域は、サービスによって違う |
どれも無料で使えるので、1つに決める必要はありません。ハローワークとエージェントの違いは、こちらで比べています。
就職エージェントなら、既卒やフリーターの就職支援に特化したハタラクティブや、20代の既卒・フリーター向けの第二新卒エージェントneoがあります。どちらも私が実際に使ったサービスで、無料で相談できます。
相談して気持ちが変わることもあります。私は面談のあと、就職に少し前向きになれました。「まだ何も決まっていない」という段階で相談して大丈夫です。3社の違いは、こちらで比べています。
面接で「なぜ新卒で就職しなかったのか」と聞かれたら
既卒の面接では、この質問への答えが大事になります。ポイントは、事実を短く伝えて、今どうしたいかで終わることです。嘘はつかず、言い訳を長く続けないようにしましょう。
就活がうまくいかなかった場合
進路に迷っていた場合
資格や試験の勉強をしていた場合
※例文です。内容は自分の事実に合わせて書き換えてください。
卒業後の過ごし方についての答え方は、こちらに例文をまとめています。
よくある質問
既卒は何年目まで新卒枠に応募できる?
厚生労働省の指針では、卒業後少なくとも3年間は応募できるようにするよう努めることが企業に求められています。実際に何年目まで受け付けるかは会社によって違うので、募集要項で確認しましょう。
既卒で大手企業には入れる?
可能性はあります。新卒枠で既卒者を受け付けている大手企業もあるので、まず募集要項を確認しましょう。ただし人気の会社は競争も激しいので、大手だけに絞らないほうが安心です。
就活中、アルバイトは辞めたほうがいい?
生活費が厳しいなら、無理に辞めなくて大丈夫です。私も就活中はアルバイトを続けました。研修がある期間は、バイト先に相談してシフトを調整してもらいました。
就活を始めるのに、いい時期はある?
中途枠は年間を通して募集があるので、思い立ったときで大丈夫です。新卒枠を狙う場合も、早めに相談しておくと、日程を逃しにくくなります。卒業からの期間が空くほど、面接で説明することも増えていくので、動くなら早いほうがおすすめです。
大学を中退した場合は?
中退は「卒業」ではないので、厳密には既卒に当たりません。ただ、就職支援サービスの多くは中退者も対象にしています。私も大学を中退してから就職しました。中退の場合の進め方は、こちらにまとめています。
まとめ
- 大学を卒業した人の約14人に1人は、進学でも就職でもない進路。既卒は珍しくない
- 新卒採用枠で募集した事業所の73%は既卒者も応募できた。ただし、募集要項で確認する
- 新卒枠と中途枠の両方を見る。早く働きたいなら中途枠が中心
- 進め方は、理由の整理、条件の整理、相談先決め、書類の準備、応募と面接の順
- 新卒応援ハローワーク、わかものハローワーク、就職エージェントはどれも無料で使える
- 「なぜ新卒で就職しなかったのか」は、事実を短く伝えて、今どうしたいかで終わる
参考(2026年11月時点で確認):文部科学省「令和7年度学校基本統計」、厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年8月)」、厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針」、厚生労働省「若者の就職支援の窓口」、厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」、内閣府「大臣記者会見要旨(令和8年3月24日)」

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