「バイトを辞めたけど、フリーターでも失業保険はもらえる?」「もらいながらバイトしてもいいの?」。この記事は、そんな疑問を持つフリーターの人に向けて書いています。

失業保険は、正社員だけの制度ではありません。この記事では、厚生労働省とハローワークの公式情報をもとに、もらえる条件、金額の目安、手続きの流れ、受給中のアルバイトの扱いを整理しました。制度は変わることがあり、最終的な判断はハローワークが行うので、手続きの前には住んでいる地域のハローワークで確認してください。先に結論を書いておきます。

  • アルバイトでも、雇用保険に入っていて、辞める前の2年間に12か月以上の加入期間があれば、もらえる可能性がある(自己都合の場合)
  • 金額の目安は、月給15万円なら4週間で約11.2万円。自己都合で加入10年未満なら、もらえるのは最大90日分
  • 自己都合で辞めた場合は、手続きをしてから7日+原則1か月はもらえない
  • 受給中のアルバイトはできるが、働いた日と収入は必ず申告する。申告しないと不正受給になり、受け取った額の3倍の納付を命じられることがある
  • 次の仕事を探していない人はもらえない。週20時間以上で続けて働くと「就職」の扱いになる

フリーターが失業保険をもらえる条件

正式には、雇用保険の「基本手当」といいます。次の3つをすべて満たすことが必要です。

条件1:雇用保険に入っていた

アルバイトでも、原則として週20時間以上働き、31日以上続けて雇われる見込みがあれば、雇用保険に入ります。昼間の学生は原則として対象外です。

入っていたかどうかは、給料明細で確認できます。「雇用保険料」が引かれていれば、加入していると考えてよいでしょう。条件を満たしているのに入っていないようなら、ハローワークに相談してみてください。

なお、2028年10月からは、雇用保険に入る条件が週20時間以上から週10時間以上に広がる予定です。

条件2:加入していた期間が足りている

辞めた理由 必要な加入期間
自己都合など(原則) 辞める前の2年間に、通算12か月以上
倒産・解雇など、契約が更新されなかった場合など 辞める前の1年間に、通算6か月以上

1か月に数えられるのは、辞めた日からさかのぼって1か月ごとに区切り、働いて賃金が出た日が11日以上、または働いた時間が80時間以上ある月です。シフトが少なかった月は、数に入らないことがあります。

バイト先を変えていても、条件を満たせば、前のバイト先の加入期間も合わせて数えられます。離職票が複数ある人は、短い期間のものも全部提出します。

条件3:失業の状態にある

ここでいう「失業」は、ただ仕事がない状態ではありません。働く気持ちと働ける状態があり、仕事を探しているのに、まだ仕事に就いていない状態をいいます。

そのため、次のような人はもらえません。

  • 次の仕事を探すつもりがない人や、しばらく休みたい人
  • 学業に専念する人
  • 病気やけが、妊娠・出産・育児などで、すぐに働けない人(受給期間を延ばせる場合があります)
  • 次の仕事が決まっている人
  • 週20時間以上で続けて働いている人(雇用保険に入っている間は、シフトがない日も「就職」の扱いです)

会社を辞めて、すぐに週20時間以上のアルバイトを始めるつもりの人は、もらえないと考えておきましょう。

いくらもらえる?金額の目安

1日あたりの金額(基本手当日額)は、辞める前6か月の給料(ボーナスを除く)の合計を180で割り、そこに50〜80%をかけた額です。給料が低い人ほど、高い割合になります。

2026年8月以降の計算式で計算した目安は、次のとおりです。給料は、税金などが引かれる前の金額です。

辞める前の月給 1日あたり 4週間分 90日分の合計
10万円 約2,660円 約7.5万円 約24万円
15万円 4,000円 約11.2万円 約36万円
20万円 約5,030円 約14.1万円 約45万円

実際の金額は、ハローワークが離職票をもとに計算します。1日あたりの金額には上限と下限があり、2026年8月1日からの下限は2,562円、30歳未満の上限は7,450円です。

もらえる日数は、辞めた理由と加入期間で変わります。自己都合で辞めた場合は、加入期間が10年未満なら90日です。受け取れるのは、原則として辞めた日の翌日から1年間だけで、その間に受け取りきれなかった分はなくなります。手続きが遅れると損をすることがあるので、仕事が決まっていなければ早めに動きましょう。

手続きの流れ

  1. 離職票を受け取る:辞めるときに、バイト先に「離職票がほしい」と伝えておく。辞めた日の翌々日から10日を過ぎても届かなければ、バイト先に確認する。それでも届かなければ、ハローワークに相談する
  2. ハローワークで手続きをする:住んでいる地域のハローワークに行き、離職票を出して、仕事探しの申し込みをする
  3. 待期(7日間):手続きをしてから、失業の状態が通算7日になるまでは支給されない
  4. 給付制限(自己都合の場合):待期のあと、さらに原則1か月は支給されない
  5. 失業の認定を受ける:原則として4週間に1回、決められた日(認定日)にハローワークへ行き、失業認定申告書を出す
  6. 振り込まれる:認定を受けた日数分が、指定した口座に振り込まれる

給付制限は、2025年4月1日以降に辞めた人は原則1か月です(それより前は原則2か月)。辞めた日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合は、3か月になります。

自己都合だと、手続きをしてから最初のお金が入るまで1か月以上かかるので、その間の生活費は考えておく必要があります。

倒産や解雇で辞めた人や、契約が更新されずに辞めた人は、給付制限がなく、もらえる日数も多くなることがあります。離職票に書かれた理由が実際と違うときは、そのままにせず、ハローワークに伝えましょう。

持っていくもの

  • 離職票-1、離職票-2
  • マイナンバーカード(ない場合は、番号がわかる書類と、運転免許証などの本人確認書類)
  • 写真2枚(タテ3.0cm×ヨコ2.4cm。マイナンバーカードを毎回見せる場合は省略できることがあります)
  • 本人名義の通帳など、振込先がわかるもの

必要なものはハローワークによって違うことがあるので、行く前に確認すると確実です。

認定日までに仕事探しの実績が必要

認定を受けるには、原則として、前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上の求職活動が必要です。最初の認定までは1回以上でよいなど、時期によって回数が変わるので、説明会で確認しましょう。

実績になるのは、求人への応募、ハローワークでの職業相談、許可を受けた民間の職業紹介での相談などです。求人をネットで見ただけ、登録しただけでは、実績になりません。

受給中にアルバイトをしてもいい?

できます。ただし、働いた日と収入は、収入がなくても必ず失業認定申告書で申告します。給付制限の期間中に働いた分も、申告が必要です。

働き方によって、扱いは次のように変わります。

働き方 扱い その日の基本手当
週20時間以上で、31日以上続く見込み 就職 もらえなくなる(就職の手続きが必要)
1日4時間以上 就労 その日の分は出ない(残りの日数として後ろに回る)
1日4時間未満 内職・手伝い 出るが、収入によって減ることがある

いくらまでなら減らない?

1日4時間未満で働いたときは、次の計算で減る額が決まります。2026年8月1日からの控除額は1,429円です。

(その日の収入 − 1,429円)+ 1日あたりの基本手当 が、辞める前の1日あたりの賃金の80%を超えたら、超えた分だけ減る

たとえば、月給15万円だった人は、1日あたりの賃金が5,000円、その80%は4,000円で、基本手当もちょうど4,000円です。この場合は、1日の収入が1,429円を超えると、超えた分だけ減ります。1日に3,000円稼ぐと1,571円減り、その日の基本手当は2,429円になります。

計算が複雑なので、働く前にハローワークで確認しておくと安心です。

申告しないとどうなる?

申告せずに受け取ると不正受給になります。以降の支給が止まり、不正に受け取った額の3倍の納付を命じられることがあります。「少しだから」と黙っておくのは、割に合いません。

よくある質問

親の扶養に入っていてももらえる?

条件を満たしていれば、扶養に入っていてももらえます。ただし、失業保険を受け取っている間は、扶養に入れない場合があります。親が入っている健康保険や勤務先に確認しましょう。扶養の基準は、こちらで解説しています。

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失業保険に税金はかかる?

かかりません。雇用保険の給付は非課税なので、確定申告も必要ありません。

健康保険や年金の手続きも必要?

必要です。バイト先の社会保険に入っていた人は、辞めると健康保険と厚生年金から外れます。国民年金の保険料が払えないときは、失業を理由にした免除の特例を使える場合があります。手続きの全体は、こちらにまとめています。

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条件を満たさないときは?

雇用保険に入っていない人や、加入期間が足りない人は、収入などの条件を満たせば、月10万円の給付金を受けながら職業訓練を受けられる「求職者支援制度」を使える場合があります。

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受給中の仕事探しは、就職エージェントも使える

失業保険は、次の仕事が決まるまでの生活を支えるためのものです。最大90日分でも、自己都合なら受け取れる期間は長くありません。正社員を目指すなら、受給が終わるのを待たず、早めに動くほうが安心です。

早く就職が決まった場合は、再就職手当を受け取れることがあります。基本手当の残りの日数が、3分の2以上あれば残日数分の70%、3分の1以上あれば60%です。たとえば、1日4,000円で70日分残っていれば、4,000円×70日×70%で19.6万円です。1年を超えて働く見込みがあることなど、ほかにも条件があります。

就職エージェントは、この点で相性のよい選択肢です。

  • 許可を受けた民間の職業紹介で相談を受けると、原則として求職活動の実績になる(登録しただけでは実績にならない)
  • 給付制限を受けた人が、待期が終わってから1か月の間に就職する場合、再就職手当の対象になるのは、ハローワークか、許可を受けた職業紹介事業者などの紹介で決まった就職だけ

実績や手当の対象になるかどうかは、相談や内定の前後にハローワークで確認しておくと確実です。

フリーターや既卒の就職支援に特化したハタラクティブや、20代向けの第二新卒エージェントneoに無料で相談できます。ハローワークとの違いや使い分けは、こちらにまとめています。

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まとめ

  • アルバイトでも、雇用保険に入っていて、辞める前の2年間に12か月以上の加入期間があれば、もらえる可能性がある(自己都合の場合)
  • 月給15万円なら、4週間で約11.2万円が目安。自己都合で加入10年未満なら最大90日分
  • 自己都合だと、手続きをしてから7日+原則1か月はもらえない。受け取れるのは原則として辞めた翌日から1年間
  • 受給中のアルバイトは、働いた日と収入を必ず申告する。週20時間以上で続けて働くと「就職」の扱いになる
  • 早く就職が決まれば、再就職手当を受け取れることがある

参考:厚生労働省、ハローワークインターネットサービス、各都道府県労働局の公式情報(2026年11月時点で確認)

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エイジ
大学を中退し、高卒の学歴のまま20代半ばまでフリーターとニートを経験(飲食店・コンビニ・運送業のアルバイト)。就職支援サービスのハタラクティブ経由で、広告会社の営業職として正社員になりました。ハタラクティブやジェイックを実際に使った体験をもとに、フリーター・既卒・中退者の就職について書いています。
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