フリーターと正社員はどっちがいい?6つの判断基準と早く動くべき理由
「フリーターと正社員、結局どっちがいいんだろう」と迷っている人は多いと思います。
自由に働けるフリーターにも良いところはありますし、正社員にも大変なところはあります。ただ、どちらが自分に合うかは、なんとなくの印象ではなく、収入・保険・年金・安定・自由度・将来という決まった軸で比べると見えてきます。この記事では、その判断基準と、フリーターを選ぶなら決めておきたいこと、正社員を目指すなら早いほうが有利な理由をまとめました。先に結論を書いておきます。
- どちらが正解かは人によって違う。ただし比べる軸は「収入・社会保険・年金・雇用の安定・自由度・将来」の6つ
- フリーターを選ぶなら、「いつまで」「何のために」を決めて、保険と年金の手続きをしておく
- 正社員を目指すなら、年齢が上がるほど給料の差が開き、既卒の新卒枠にも期限があるので、早く動くほど有利
「どっちがいいか」は人による。でも比べる軸は決まっている
フリーターと正社員の違いそのもの(雇用の期間、給料のしくみ、賞与、休みなど)は、こちらの記事で比較表にまとめています。まだ読んでいない人は、先に目を通しておくと、この記事の内容がわかりやすくなります。
この記事では、違いを知ったうえで「じゃあ自分はどっちを選ぶべきか」を決めるための基準に絞って説明します。総務省の「労働力調査」によると、2025年のフリーター(15〜34歳)は139万人です。同じように迷っている人はたくさんいます。
判断基準1:収入
まずはお金の面です。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く人の月の給料(所定内給与)の平均は、正社員・正職員が35万8,800円、正社員・正職員以外が24万1,700円です。正社員を100とすると、正社員以外は67.4です。
さらに大事なのは、この差が年齢とともにどう変わるかです。
| 年齢 | 正社員を100としたときの正社員以外の給料 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 82.2 |
| 30〜34歳 | 72.8 |
| 50〜54歳 | 55.7 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」より。正社員以外には契約社員なども含みます。賞与は含みません。
20代前半ではそれほど大きくない差が、年齢を重ねるほど広がっていきます。正社員は経験に応じて給料が上がるしくみの会社が多い一方、時給で働く場合は、何年働いても時給があまり変わらないことが多いためです。
「今の手取りはそんなに変わらない」と感じている人ほど、10年後、20年後の差を想像してみてください。
判断基準2:社会保険(健康保険など)
正社員は、勤め先の健康保険・厚生年金・雇用保険に加入します。フリーターでも、週20時間以上働くなどの条件を満たせば勤め先の社会保険に入りますが、条件を満たさない場合は、自分で国民健康保険と国民年金に入ることになります。
違いが出やすいのは、病気やけがで働けなくなったときです。勤め先の健康保険には、仕事を休んで給料が出ないときに支給される「傷病手当金」があります。一方、国民健康保険では、傷病手当金は市区町村などが「行うことができる」とされている任意の給付で、支給のしくみを設けていないところが多いのが実情です。シフトに入れないと収入がゼロになるフリーターにとって、ここは見落としやすいポイントです。
判断基準3:年金
勤め先の社会保険に入っていない人は、国民年金の保険料を自分で払います。令和8年度の国民年金保険料は月1万7,920円です。
一方、正社員などで厚生年金に入っている人は、給料から厚生年金保険料が引かれますが、保険料率18.3%のうち半分は会社が負担します。そして将来は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして老齢厚生年金を受け取れます。
老齢基礎年金は、40年間すべて保険料を納めた場合でも、令和8年度の満額で月7万608円です。国民年金だけで老後の生活費をまかなうのは、かなり難しい金額です。フリーターを続けるなら、そのぶん自分で貯金などを準備する必要があります。
判断基準4:雇用の安定
正社員は、多くの場合「期間の定めのない雇用」です。労働契約法では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効とされています。
フリーターは、半年や1年など期間を決めた契約が多く、契約が終わるときに更新されない「雇い止め」になることがあります。ただし、何度も更新されていて、更新されると期待するのが当然といえる場合などは、雇い止めが認められないこともあります。また、同じ会社で有期契約が更新されて通算5年を超えると、本人が申し込めば期間の定めのない契約に変えられる「無期転換ルール」もあります。
とはいえ、時給で働くフリーターは、お店の閉店や客数の減少でシフトを減らされると、そのまま収入が減ります。月給制の正社員と比べると、収入の安定という点では不利になりやすいです。
判断基準5:自由度
ここはフリーターのほうが有利なことが多いです。
- シフトの希望を出して、働く日や時間を調整しやすい
- 転勤や大きな異動がほとんどない
- 職場が合わなければ、比較的仕事を変えやすい
- 夢の活動や資格の勉強と両立しやすい
正社員は、勤務時間が決まっていて、残業や休日出勤があることもあります。「今は時間の自由がいちばん大事」という明確な理由があるなら、フリーターを選ぶのは十分ありうる選択です。
判断基準6:将来(経験とキャリア)
正社員は、長く働くことを前提に研修を受けたり、少しずつ責任のある仕事を任されたりします。こうした経験は、転職するときにも職歴として評価されやすいです。
フリーターの経験も、接客や仕事の段取りなど、就職で十分にアピールできます。ただ、同じ仕事を何年続けても任される範囲が変わらない場合は、年齢に見合った経験として評価されにくくなります。
フリーターを続けるなら、「新人の教育を任された」「売り場の発注を担当した」のように、任される仕事を少しずつ広げていくことを意識しておきましょう。あとで正社員を目指すときに、職務経歴書や面接で話せる材料になります。
フリーターと正社員を両方経験した私の結論
私は大学を中退したあと数年フリーターをして、20代半ばで正社員になりました。両方を経験した立場から、実際に変わったことを書きます。
- 収入:フリーター時代は月10万円前後で、貯金はほぼゼロ。正社員になって手取りで月19万円になった。働く時間は少し増えたが、大きくは変わらなかった
- 生活リズム:シフト制で夜型の生活だったのが、完全週休2日制で毎朝決まった時間に出社する生活になった
- 自由度:フリーター時代のように、行きたい日に簡単に休むことはできなくなった
- 気持ち:口には出さなかったが将来を心配していた親が、とても喜んでくれた
自由は少し減りましたが、私は正社員になってよかったと思っています。フリーター生活が楽しかったのも本当なので、「目的があって期限を決めているならフリーター、なんとなく続けているなら正社員」というのが私の結論です。
正社員になって変わったことは、こちらに詳しく書いています。
あなたはどっち?判断チェックリスト
6つの基準をふまえて、自分に当てはまるものを数えてみてください。
フリーターを選んでもよさそうな人
- 音楽、芝居、資格の勉強など、時間を使いたい目的がはっきりある
- その目的を「何歳まで」「どうなったら区切る」か決めている
- 勤め先の社会保険に入れる働き方をしている、または国民年金・国民健康保険をきちんと払えている
- 毎月いくらか貯金ができている
正社員を目指したほうがよさそうな人
- なんとなくフリーターを続けていて、特に目的はない
- 収入が不安で、将来のことを考えると落ち着かない
- 国民年金を払えていない月がある
- 一人暮らしや結婚など、この先お金が必要になる予定がある
- 年齢が上がって、職場で任される仕事が変わらないことに焦りがある
「正社員を目指したほうがよさそうな人」のリストに2つ以上当てはまるなら、正社員を目指して動き始めることをおすすめします。
フリーターを選ぶなら決めておきたい4つのこと
フリーターを選ぶこと自体は悪いことではありません。ただ、何も決めずに続けると、気づいたときには選べる道が狭くなっていることがあります。次の4つだけは決めておきましょう。
1. 期限を決める
「28歳の誕生日までに結果が出なければ就職活動を始める」のように、年齢か日付で区切りを決めます。紙に書いて、見えるところに貼っておくのもおすすめです。
2. 目的を言葉にする
「何のためにフリーターをしているのか」を一文で言えるようにしておきます。あとで就職活動をするとき、面接で「フリーターの期間に何をしていたか」を聞かれても、筋の通った説明ができます。
3. 保険と年金の手続きをしておく
国民年金の保険料が払えないときは、放っておかずに免除や納付猶予を申請しましょう。未納のままだと、将来の年金だけでなく、けがや病気で障害が残ったときの障害年金にも影響することがあります。
4. 毎月の貯金額を決める
シフトが減ったときや、就職活動を始めるときのために、生活費の数か月分を目安に貯めておくと安心です。
正社員を目指すなら早いほうが有利な理由
年齢とともに給料の差が開く
先ほどの表のとおり、正社員とそれ以外の給料の差は、20代前半の82.2から、30代前半には72.8まで広がります。正社員になる時期が早いほど、給料が上がっていく期間も長くなります。
既卒なら新卒枠で応募できる期間がある
学校を卒業してから就職していない人は、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」で、卒業後少なくとも3年間は新卒枠で応募できるようにするよう企業に求められています。この期間を過ぎると、応募できる求人の幅が狭くなることがあります。
20代は「未経験歓迎」の求人が多い
20代のうちは、経験よりも人柄や意欲を見て採用する会社も多くあります。年齢が上がるほど、即戦力としての経験を求められやすくなります。
一人で求人を探すのが不安な人は、就職支援サービスを使うのも一つの方法です。私も使ったハタラクティブは、フリーターや既卒など、未経験からの就職支援に特化したサービスです。
よくある質問
フリーターと正社員、手取りはどれくらい違う?
働き方によって違いますが、私の場合は、フリーター時代の月10万円前後から、正社員になって手取り月19万円になりました。年齢が上がるほど、正社員とそれ以外の給料の差は広がっていきます。
フリーターのほうが幸せなこともある?
あります。時間を使いたい目的がはっきりしていて、期限を決めているなら、フリーターを選ぶのは十分ありうる選択です。フリーター生活が楽しかった理由は、こちらに書いています。
まとめ
- フリーターと正社員のどちらがいいかは、収入・社会保険・年金・雇用の安定・自由度・将来の6つの軸で比べる
- 正社員とそれ以外の給料の差は、20代前半より30代、50代のほうが大きい
- 国民健康保険では傷病手当金が出ないことが多く、老齢基礎年金は満額でも月7万608円
- フリーターを選ぶなら、期限・目的・保険と年金・貯金の4つを決めておく
- 正社員を目指すなら、既卒の新卒枠や未経験歓迎の求人が多い20代のうちに動くほうが有利
「どっちがいいか」で迷っている時間が長くなるほど、選べる道は少しずつ狭くなっていきます。正社員を目指すと決めた人は、まずは就職支援サービスに相談して、自分に合う求人があるかを見てみてください。
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